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アイデアが出ないときの対処法|対話で思考を広げる3つの方法

2018.04.24

新しい企画を考えたいのに、なかなかアイデアが出てこない。

会議のテーマを考えているけれど、いつも似たような案になってしまう。

一人で考え続けているうちに、何がよいのか分からなくなってきた。

仕事をしていると、そんな場面があります。

特に、経験を積んできた人ほど、

「これまでのやり方なら分かる」
「こういう場合は、だいたいこの方法」
「現実的には、このくらいだろう」

と、無意識のうちに考える範囲が決まっていることもあります。

もちろん、経験は大切な財産です。

一方で、新しいアイデアが必要なときには、その経験が思考の枠になることもあります。

そんなとき、さらに一人で考え続けるよりも役立つことがあるのが、誰かと対話しながら考えることです。

この記事では、仕事でアイデアが出ないときに、対話を使って思考を広げる方法についてお伝えします。


こんな組織・ご担当者さまへ

  • 新しい企画や施策を考えても、いつも似た案になってしまう
  • 会議をしても、なかなか新しい意見が出てこない
  • 管理職や担当者が、一人で考え込むことが多い
  • 1on1をしているが、報告や確認だけで終わっている
  • 「何かアイデアはない?」と聞いても、メンバーから意見が出にくい
  • 経験のある社員ほど、従来の方法から抜け出しにくくなっている
  • 対話を、問題解決や企画づくりにも生かしたい

アイデアが出ないのは「発想力がないから」とは限らない

アイデアが出ないと、

「私は発想力がない」
「もっと柔軟に考えないと」
「クリエイティブな人ではないから」

と考えてしまうことがあります。

けれど、必ずしも性格や能力の問題ではありません。

仕事では、すでにたくさんの前提条件を持ちながら考えています。

予算はこのくらい。

今までこうしてきた。

上司はこう考えるだろう。

この部署では難しい。

失敗しない方法を選びたい。

こうした条件は、現実的に仕事を進めるうえでは必要です。

ただし、最初からすべての条件を同時に考えると、発想を広げる前に、自分で選択肢を狭めてしまうことがあります。

つまり、アイデアが出ない状態は、単純に「発想力がない」のではなく、何を前提として考えているのかを整理することで扱えるテーマでもあります。

エトワールの法人向けセッションでも、新しい企画や働き方について考えるとき、いきなり「よい答えを出しましょう」とはしません。

まず、

「今、何を実現したいのか」
「何を当然だと思っているのか」
「どこで思考が止まっているのか」

を一緒に整理するところから始めます。

答えを増やす前に、今どこから考えているのかを確認する。

それだけで、見えてくる選択肢が変わることがあります。


なぜ一人で考えていると、同じアイデアに戻りやすいのか

一人で考えること自体が悪いわけではありません。

じっくり考える時間が必要な仕事もあります。

ただ、一人で考えていると、問いを出す人も、答える人も自分です。

すると、

「これは無理だろう」
「前にもやったけれどうまくいかなかった」
「結局、この案しかない」

という自分の中の前提を、そのまま使い続けやすくなります。

たとえば、

「次回の社内研修をどうしよう?」

と一人で考えているとします。

これまで講義形式で実施してきた人なら、

「今回はどんな講義内容にするか」

という範囲で考え続けるかもしれません。

ところが、対話の中で、

「そもそも今回の研修が終わったとき、参加者がどうなっていたら成功ですか?」

と聞かれると、考える場所が変わります。

さらに、

「話を聞いてもらう以外に、その状態をつくる方法はありますか?」

と問われれば、

少人数で話してもらう。

実際のケースを持ち寄る。

研修前に課題を集める。

管理職同士で事例を共有する。

研修後に短い1on1を入れる。

など、それまで検討していなかった案が出てくる可能性があります。

重要なのは、質問そのものに正解があるわけではないことです。

今までとは違う場所から考えられる問いが入ることで、思考の範囲が広がるのです。


対話をしながら仕事のアイデアを整理するアラフィフ世代の女性たち

アイデアが出ないときに使いたい3つの対話

1.「何をするか」の前に「何のためか」を話す

アイデアが出ないときほど、

「何をする?」
「どうやる?」
「何かいい案は?」

と方法から考えがちです。

そこで一度、目的へ戻ります。

たとえば、

「この企画で、本当に実現したいことは何だろう」

「終わったあと、どんな変化が起きていたらよいだろう」

「誰に、どんな状態になってもらいたいのだろう」

と話してみます。

「女性社員向けのキャリア研修をする」というテーマでも、

知識を伝えたいのか。

今後の働き方を考えてもらいたいのか。

社内で孤立している人を減らしたいのか。

管理職との対話につなげたいのか。

目的によって、必要な企画は変わります。

方法が思いつかないときには、方法を考え続けるより、目的をもう一度言葉にする方が、結果として新しいアイデアにつながることがあります。


2.無意識に置いている「前提」を言葉にする

次に見てみたいのが、自分たちが当たり前だと思っていることです。

たとえば、

「研修は全員参加でなければならない」

「会議は1時間必要」

「この仕事は管理職が決めるもの」

「新しい施策には予算が必要」

「ベテラン社員が教える方がよい」

など。

もちろん、本当に必要な条件もあります。

ただ、中には長年の習慣によって、何となく続いているものもあります。

そこで、

「それは絶対に必要な条件だろうか?」

「もし、その条件がなかったらどうする?」

「今ゼロからつくるとしたら、同じ方法を選ぶ?」

と対話してみます。

ここで大切なのは、無理に奇抜な案を出すことではありません。

現実を無視して発想する必要もありません。

まずは、選択肢を狭めているものが何なのかを確認することです。

そのうえで現実的な条件を戻していくと、今までとは少し違う方法が見つかることがあります。


3.「別の立場だったら?」から考えてみる

自分の立場から考え続けていると、見えるものには限りがあります。

そんなときは、視点を意識的に移してみます。

たとえば、

「参加する社員から見たら、どう感じるだろう」

「部下の立場なら、何があると話しやすいだろう」

「人事担当者ではなく、現場の管理職だったら何に困るだろう」

「この会社に入ったばかりの人が見たら、どう見えるだろう」

と考えてみます。

同じテーマでも、立場が変わると重要に見えるものも変わります。

管理職にとっては効率のよい仕組みでも、部下にとっては相談しづらいかもしれません。

人事にとって有益な研修でも、参加者には「また会社から何か言われる時間」と見えている可能性もあります。

だからこそ、新しい施策を考えるときには、自分以外の視点を対話の中に入れることが役立ちます。


「何か意見はありませんか?」だけでは、対話になりにくい

会議でも、

「皆さん、何かアイデアはありませんか?」

と聞くことがあります。

ところが、誰も話さない。

しばらく沈黙したあと、いつもの人が発言する。

そのまま、いつもの案に落ち着く。

こうしたことは珍しくありません。

これは、メンバーにアイデアがないとは限りません。

問いが大きすぎることもあります。

「何かありますか?」ではなく、

「今の方法で、残したいところはどこですか?」

「逆に、一つだけやめるなら何でしょう?」

「利用する人の立場から見ると、不便なのはどこでしょう?」

「予算を増やさずに一つ変えるなら?」

など、考える入口をつくることで話しやすくなります。

1on1でも同じです。

「最近どう?」

だけでは出てこなかった話が、

「今、いちばん時間を取られている仕事は何?」

「本当は誰かに相談したいことはある?」

「今の働き方で、一つだけ変えられるとしたら?」

と問いを変えることで出てくることがあります。

対話の質は、話す量だけではなく、どんな角度から一緒に考えられるかにも左右されます。


対話は「答えを教えてもらう時間」ではない

アイデアが出ないとき、誰かに相談すると、

「私ならこうする」
「それなら、この方法がいいよ」
「前の会社ではこうしていた」

と、すぐにアドバイスが返ってくることがあります。

もちろん、経験者の助言が役立つ場面もあります。

一方で、新しいアイデアを考えたいときには、相手の答えをもらうことよりも、自分の思考を広げる対話の方が適している場合があります。

考えを話してみる。

質問される。

言葉に詰まる。

もう一度考える。

違う視点から見てみる。

「そういえば」と別の可能性に気づく。

こうした過程を経ることで、自分一人ではたどり着きにくかった考えが言葉になっていきます。

そのため、エトワールの法人向け支援でも、単に「こうしてください」と解決策を渡すことだけを目的にはしていません。

何が課題なのかを整理し、別の視点から問いを置き、本人やチームが持っている考えを言葉にしていきます。

さらに大切なのは、そこで「いいアイデアが出ました」で終わらせないことです。

誰に伝えるのか。

どんな言葉で提案するのか。

最初に何から試すのか。

どこまでなら今の現場で実行できるのか。

知識や気づきだけではなく、実際の仕事、言葉、関係性の中に落とし込むところまで整理することが、変化につなげるうえでは重要です。


アイデアを出すときに避けたい3つのこと

最初から「できる・できない」を判断する

アイデアを出す段階で、

「予算がない」
「人が足りない」
「上司が認めない」

とすべて判断してしまうと、選択肢が増えません。

まず広げ、そのあと絞る。

この二つを分けて考えると整理しやすくなります。

すぐに正解を決めようとする

最初に出た案が、完成形である必要はありません。

A案からB案が生まれ、さらに話しているうちにC案になることもあります。

「正しい答えを出さなければ」と考えるほど、発言しづらくなる人もいます。

発言しない人を「意見がない人」と決める

考えながら話せる人もいれば、一度整理してから話したい人もいます。

会議中には出なかった意見が、1on1なら出てくることもあります。

その人に合った考える時間や対話の形をつくることも大切です。

無理に誰もが積極的に発言できるようになる必要はありません。

それぞれが考えを出しやすい方法を見つける方が、実際の職場にはなじみやすいでしょう。


チームで使える「アイデアを広げる質問」チェックリスト

企画や会議で行き詰まったときには、次のような問いを使ってみてください。

  • 今回、本当に実現したいことは何か
  • 誰に、どんな変化が起きれば成功と言えるか
  • 今、当たり前だと思っている条件は何か
  • その条件を一つ外したら、何ができるか
  • 今の方法で残したいものは何か
  • 一つやめるなら何か
  • 利用する人・参加する人から見るとどう見えるか
  • 他部署の人だったらどう考えるか
  • 今まで試していない方法は何か
  • 小さく試すなら、何から始められるか

全部使う必要はありません。

一つ問いを変えるだけでも、会話の流れが変わることがあります。


ミニ事例|会議内容を考える対話から、企画そのものを見直す

たとえば、ある担当者が、

「次回の社内会議で、何を話せばいいか決まらない」

と悩んでいるとします。

一人で考えていると、

どんな資料を作るか。

何を説明するか。

時間をどう配分するか。

と、「会議で話す内容」を考え続けるかもしれません。

そこで、

「今回の会議が終わったとき、参加者にどうなっていてほしいですか?」

と考えてみます。

すると、

「説明を聞いてもらうことではなく、それぞれが次に何をするか決まっていてほしい」

という目的が見えてきたとします。

そうなると、

説明時間を短くする。

事前に資料を送る。

話し合いの時間を増やす。

少人数に分かれる。

最後に一人ずつ次の行動を決める。

と、会議そのものの設計が変わってきます。

最初のテーマは「何を話すか」だったのに、対話を通して、本当のテーマが「参加者が動ける会議をどうつくるか」に変わったわけです。

新しいアイデアを生み出すときに必要なのは、たくさんの案を無理に出すことだけではありません。

そもそも何について考えるべきなのかを、問い直すことも大切です。


まとめ|アイデアが出ないときは、考える量より「考える角度」を変えてみる

仕事でアイデアが出ないと、

もっと考えよう。

情報を集めよう。

自分が何とかしよう。

と、一人で考える時間を増やしてしまうことがあります。

けれど、すでに同じ前提の中を行ったり来たりしているなら、考える時間を増やすだけでは変わらないこともあります。

そんなときは、

まず目的へ戻る。

次に、自分たちが置いている前提を確認する。

そして、別の立場から考えてみる。

対話を使って考える角度を変えることで、自分一人では見えていなかった選択肢が見つかることがあります。

これは「アイデアを出せる人になる」という性格の問題ではありません。

考えるための問いや環境を整えることで、扱っていける仕事上のテーマです。

また、一度新しい視点に気づいても、一人になると、

「でも、やっぱり今まで通りが無難かな」

と元の考え方へ戻ることもあります。

だからこそ、企画や1on1、チームづくりでは、安心して考えを広げ、実際の行動まで整理できる対話の場を持つことも一つの方法です。

誰か一人が急に発想力豊かな人になる必要はありません。

その人やチームに合った問い方、話し方、考え方を少しずつ見つけていく。

そこから、仕事の新しい選択肢が生まれていきます。


法人さま向けのご案内

コーチング・エトワールでは、管理職・リーダー層の1on1、働く女性のキャリア支援、チーム内のコミュニケーションや関係性づくりなど、「人」と「働き方」の両面から現場を整える法人向け支援を行っています。

「会議をしても新しい意見が出ない」

「1on1が報告や確認だけになっている」

「管理職や担当者が、一人で課題を抱えて考え込んでいる」

「社員が自分で考え、言葉にできる対話の場をつくりたい」

といった段階からでも、現在の状況を整理することができます。

単に対話の方法を知るだけではなく、実際の会議や1on1、日々のコミュニケーションの中でどう使うのかまで、一緒に整えていきます。

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https://coaching-etoile.com/archives/3984

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