公務員を辞めるのが怖い方へ|元公務員が経験から伝えたいこと
公務員を辞めたいと思っている。
けれど、実際に「辞める」と考えると怖くなる。
収入はどうなるのだろう。
今まで積み重ねてきたキャリアを手放してよいのだろうか。
家族や周囲はどう思うだろう。
辞めてから「やっぱり続けておけばよかった」と後悔しないだろうか。
特に40代、50代になると、仕事だけを見て決めることは難しくなります。
これからの収入、家族との暮らし、健康、老後、今まで築いてきた立場。そして、「この先の人生をどう過ごしたいのか」。
さまざまなことが重なるからこそ、簡単に答えが出ないのは自然なことです。
私自身は34歳のときに公務員を辞めました。それから働き方や生き方を何度も組み立て直してきた経験があります。
だからこそ、公務員や安定した組織で働いている方から、
「どうして辞めたのですか?」
「怖くなかったですか?」
「辞めたことを後悔しませんでしたか?」
と聞かれることがあります。
けれど、私がお伝えしたいのは、「公務員を辞めても大丈夫」ということではありません。
大切なのは、辞めることを急ぐことでも、怖いから今の場所にとどまることでもなく、自分がこれからどんな働き方をしたいのかを整理することです。
今回は、公務員を辞めるのが怖いと感じている方へ、元公務員の経験も交えながら、40代・50代からのキャリアを考えるときに整理しておきたいことをお伝えします。
こんな人へ
公務員を辞めたい気持ちがあるけれど、決断できずにいる方へ。
安定した仕事を手放して後悔しないか、不安を感じている方へ。
今の仕事をこのまま続けることにも違和感がある方へ。
転職や独立に興味はあるものの、「今さら遅いのでは」と思っている方へ。
そして、40代・50代になり、これからの働き方を一度立ち止まって考えたい方に届けます。
今日持ち帰れること
まず、「辞めるのが怖い」という気持ちは、決断力がないから起きているわけではないと分かります。
次に、「辞める・辞めない」の二択ではなく、今の仕事について整理すべきポイントが見えてきます。
そして最後に、これからのキャリアを考えるときに、何から始めればよいかが分かります。
公務員を辞めるのが怖いのは、弱いからではない
安定した仕事を辞めることを考えれば、不安が出るのは当然です。
公務員であれば、毎月の給与があることや、福利厚生、社会的な信用など、今の立場によって得ているものもあります。
さらに、長く勤めているほど、
「ここまで続けてきたのだから」
「辞めるなんてもったいない」
「あと少し頑張れば定年なのだから」
と考えることもあるでしょう。
周囲からそう言われることもあるかもしれません。
一方では、
「この働き方を、この先もずっと続けたいのだろうか」
「もっと自分に合う働き方があるのではないか」
という気持ちもある。
この二つの間で揺れるから苦しくなります。
これは、優柔不断な性格だからではありません。
今まで積み上げてきたものと、これから大切にしたいものの両方があるから迷うのです。
だからこそ、気合いで決断しようとするのではなく、一つずつ分けて考える必要があります。
「辞めたい」の中身を、まず分けてみる
「仕事を辞めたい」と思ったとき、最初に確認したいのは、
本当に辞めたいのは何なのか
ということです。
たとえば、
・仕事内容そのものが合わない
・職場の人間関係に疲れている
・責任が重くなりすぎている
・働く時間や通勤が身体的につらい
・もっと自分の力を生かせる仕事がしたい
・組織の中で働くこと自体に違和感がある
・これまでとは違う人生を経験してみたい
では、同じ「辞めたい」でも意味が違います。
人間関係だけが問題なら、異動によって状況が変わる可能性もあります。
仕事量が問題なら、働き方や役割を調整することで続けられる場合もあるでしょう。
一方で、自分がこれから大切にしたいことと、現在の働き方そのものが合わなくなっていることもあります。
この違いを見ないまま、
「辞めるしかない」
あるいは、
「安定しているのだから我慢しよう」
と決めてしまうと、本当の問題が置き去りになってしまいます。
40代・50代のキャリアは「次の仕事」だけで考えない
20代や30代の転職と、40代・50代からのキャリアの見直しでは、考えることも少し変わります。
これまで培ってきた経験や専門性があります。
同時に、家族との生活、身体の変化、親のこと、将来のお金など、仕事以外にも大切にしたいことが増えている方もいるでしょう。
だから、
「次に何の仕事をするか」
だけではなく、
「これから、どんな生活をしながら働きたいのか」
まで含めて考えることが大切です。
収入を最大にすることより、自由に使える時間を増やしたい人もいます。
責任ある立場を離れて、もう少し小さな単位で人と関わりたい人もいるでしょう。
逆に、これまでの経験を生かして、もう一段大きな仕事へ挑戦したい人もいます。
独立したい人もいれば、組織の中で働き続けながら、働き方だけを変えたい人もいます。
正解は一つではありません。
今までの延長線上だけで考えず、これからの自分に必要な働き方を組み立て直すことが、40代・50代のキャリア再設計です。

辞める・辞めないを決める前に整理したい4つのこと
1.今、何がつらいのか
まずは、現在の仕事の中で負担になっているものを書き出します。
仕事内容なのか。
人間関係なのか。
働く時間なのか。
責任の重さなのか。
自分の価値観とのズレなのか。
「全部嫌」と感じているときほど、一つずつ分けることが大切です。
2.今の仕事で、残したいものは何か
辞めたい理由だけでなく、今の仕事から得ているものも見てみます。
収入。
安定。
専門性。
人とのつながり。
社会との接点。
仕事そのもののやりがい。
辞めることを考えるときは、嫌な部分ばかりに目が向きやすいものです。
けれど、残したいものが分かれば、それを別の働き方でどう確保するかも考えられます。
3.これから何を大切にして働きたいのか
次に考えたいのが、これからです。
5年後、10年後。
どのくらい働いていたいでしょうか。
どのくらいの収入が必要でしょうか。
どんな人と関わっていたいでしょうか。
どのくらい自分の時間を持ちたいでしょうか。
そして、仕事以外の生活をどのように過ごしていたいでしょうか。
エトワールのセッションでも、いきなり「転職するか」「辞めるか」を決めることから始めるわけではありません。
まず、現在何に違和感を感じているのか、何を残したいのか、これからどのような生活をしたいのかを一緒に整理します。
辞めることが目的なのではなく、その方にとって無理のない働き方を見つけることが目的だからです。
4.今すぐ辞めなくてもできることは何か
キャリアを変えるというと、大きな決断を想像しやすいものです。
けれど、できることは退職だけではありません。
興味のある仕事について調べる。
資格や学びを始める。
副業が可能なら、小さく試してみる。
異動や働き方の変更について調べる。
家計を確認して、必要な生活費を知る。
転職市場で、自分の経験がどう評価されるのかを調べてみる。
今の仕事を続けながらできる準備もあります。
「辞めるかどうかを決めてから動く」のではなく、動きながら考えることもできます。
選択肢が増えることで、怖さの中身が変わってくることもあります。
元公務員だからこそ、伝えられること
私自身、公務員を辞めるという経験をしています。
だからといって、「辞めてよかったから、あなたも辞めた方がいい」とは思っていません。
人によって、大切にしたいものも、生活条件も、仕事への思いも違うからです。
ただ、一つ経験から感じているのは、
安定した場所を離れることを考えるとき、頭の中だけで答えを出そうとすると、堂々巡りになりやすい
ということです。
「辞めたい」
「でも怖い」
「やっぱり続けよう」
「でも、このままでいいのだろうか」
と何度も同じところを行き来することがあります。
一人で考えていると、不安が強くなったときに、
「やっぱり私が我慢すればいい」
「今さら変えるのは無理」
「もう少し頑張ってから考えよう」
と、慣れた選択へ戻りやすいものです。
そのため、キャリアを考えるときには、答えを教えてもらうためではなく、自分の考えを落ち着いて整理できる場を持つことも一つの方法です。
気づいたあと、現実の生活へ落とし込む
「本当は働き方を変えたい」
「今の職場だけが選択肢ではない」
と気づいても、それだけで現実が変わるわけではありません。
家族へどう伝えるのか。
今の職場とどのような距離を取るのか。
どのタイミングで動くのか。
収入をどのように考えるのか。
今まで背負ってきた役割を、どこまで続けるのか。
こうした現実的な部分へ落とし込む必要があります。
たとえば、
「今年中に辞める」
とすぐ決めなくても、
「半年かけて別の働き方を調べてみる」
という選択もあります。
家族に、
「仕事を辞めたい」
と結論だけを伝えるのではなく、
「これからの働き方について一度考えたいと思っている」
と話すこともできます。
知識としてキャリアについて学ぶだけでなく、実際の生活や行動、周囲へ伝える言葉まで自分に合う形へ整えていくことが大切です。
エトワールでは、無理に思い切りのよい人になることや、不安を感じない人になることを目指しているわけではありません。
不安があっても、その人の生活や体力、家族、仕事の状況に合わせて動ける方法を一緒に探していきます。
今日の小さな行動:「辞めたい理由」と「残したいもの」を書いてみる
今すぐ結論を出さなくても大丈夫です。
まず、ノートやスマートフォンのメモを二つに分けて、
「今の仕事を辞めたい理由」
と、
「今の仕事から残したいもの」
を書いてみてください。
たとえば、
辞めたい理由は、
・今の働き方では疲れが取れない
・自分の時間がほとんどない
・仕事に以前ほど意味を感じられない
かもしれません。
一方、残したいものは、
・安定した収入
・人を支える仕事
・これまで培った専門性
・社会とのつながり
かもしれません。
両方を見ることで、
「すべてを手放したいわけではなかった」
「私が変えたいのは、仕事そのものではなく働き方なのかもしれない」
と分かることがあります。
そこから、次の選択肢を考えていけばよいのです。
キャリアが整理され始めているサイン
答えが出たときだけが、前に進んでいる状態ではありません。
たとえば、
・辞めたい理由を具体的に言えるようになった
・今の仕事の良いところも冷静に見られるようになった
・「辞める・続ける」以外の選択肢を考えられるようになった
・人の意見より、自分がどう働きたいかを考えるようになった
・今すぐ決めなくてもよいと思えるようになった
・小さく準備を始められるようになった
こうした変化も、キャリアが整理され始めているサインです。
公務員を辞めることが、必ずしも新しい人生の始まりになるわけではありません。
反対に、公務員を続けることが、妥協とも限りません。
自分で考え、納得して選んだ働き方であること。
それが、これからのキャリアを考えるうえで大切なのだと思います。
一人で整理するのが難しいときは
公務員を辞めるかどうかを考えるときには、仕事だけでなく、収入、家族、健康、これまでのキャリア、これからの暮らしなど、さまざまな要素が関係します。
そのため、一度に答えを出そうとすると、かえって分からなくなることがあります。
そのようなときは、
今、何に違和感があるのか。
何を残したいのか。
これからどんな生活をしたいのか。
現実的にどんな選択肢があるのか。
今できる小さな行動は何か。
という順番で整理してみてください。
40代・50代からのキャリア再設計は、それまで積み重ねてきたものをすべて捨てて、新しい自分になることではありません。
これまで培ってきた経験を、これからの自分に合う形で使い直していくことです。
エトワールでは、仕事だけを切り離して考えるのではなく、生活や人間関係、心身の状態も含めながら、これからの働き方を一緒に整理しています。
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一人で考えていると同じところを行き来してしまう、何から整理すればよいのか分からないという方には、現在の状況をお聞きする無料相談30分もご用意しています。
すぐに何かを決めるためではなく、まず今の自分がどこにいるのかを確認するところから始めていただけます。
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