「頑張るだけじゃダメなんだ」
前回のコラムを読んで下さった方はご存知の通り、私は「頑張り屋さん」でした。
何故「頑張れた」のかといえば、努力したら必ずその分だけ報われて結果が出たことにあります。
もちろんその結果に対して「すごいねぇ」「えらいねぇ」との褒め言葉も自分を高めてくれるしね。
だけど、「頑張るだけじゃダメなんだ」と初めてそう思ったのが「不妊治療」経験でした。
本当にいろんなことをやりました。
子供が欲しくて欲しくて。
そもそも結婚して、子供を産んで育ててということが女性として当たり前だと思っていました。
治療に沢山時間もお金も労力も使いました。
でも結果がでない…。
「こんなに努力しているのに何で?」という思いがずっとありました。
やれるところまで頑張ったけど…。
不妊治療は「悪いところを治す」という治療ではないですからね。
「終わりのない治療」です。
周りの人はみんな言うのです。
「それがストレスになっているんだよ」
「治療をやめたらできる人もいるよ」
それを聞くたびに思いました。
「あんたに何がわかるんだ?!」
身も心もクタクタに疲れ果ててしまいました。
そして相変わらず望んだ結果は得られぬまま…。
そこから、「どれだけ望んでも得られないものもあるんだ」ということを知りました。
もちろん何が何でも子供がほしいなら、相手を変えるとか、養子をもらうとか他にも方法はあるでしょう。
それは私達夫婦の価値観に合わなかったのです。
その後、つらい治療がきっかけとなり、いろんな本やセミナー、人に出会って、タイミングやご縁、運の流れなどが存在することをあらためて腹に落とすことができました。
そこから私は「結果を求めてただひたすら頑張る」姿勢を少し手放しました。
「結果を求めて頑張ること」自体は悪いことではなく、とても大切なことだと思います。
ただ行き過ぎて心や体を壊すようでは、何のための治療かわからなくなってしまう。
健康な母体があってこその赤ちゃんですからね。
そんな思いを手放した私は、身も心も少し軽くなりました。
自然に身を委ねることにしたのです。
今回、このまま子供ができていたら、やっぱり「頑張れば何でも手に入る」と思っていたでしょう。
でもそうじゃなかったから気づけたことが、これからの人生を幸せに生きるための宝物になりました。
頑張るのを少しやめて、流れに身を任せてみませんか?