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オウム返しとは?会話が自然になる言い換え・繰り返しの使い方

2018.09.08

「話をちゃんと聞こう」と思って、相手の言葉を繰り返してみたものの、

「なんだか不自然……」
「わざとらしく聞こえないかな」
「ずっと繰り返していたら、かえって会話しにくい気がする」

そんなふうに感じたことはありませんか。

オウム返しとは、基本的には相手が話した言葉を拾い、そのまま、あるいは必要に応じて少し整理しながら返すコミュニケーションの方法です。

大切なのは、相手の言ったことを機械的に繰り返すことではありません。

「私は、あなたの話をここまで受け取っています」

それを言葉で確かめながら、会話を進めていくために使います。

この記事では、オウム返しとは何かを整理したうえで、そのまま繰り返す場合と言い換えて返す場合の違い、自然な会話の中での使い方についてお伝えします。

こんな人へ

人の話を聞くことは大切だと思っているけれど、どう返したらよいか迷う方へ。

相談されると、ついアドバイスをしなければと思ってしまう方へ。

家族やパートナーとの会話で、話を聞いているつもりなのに「聞いてくれていない」と言われることがある方へ。

相手に気を遣うあまり、会話のあとにどっと疲れてしまう方へ。

仕事でも家庭でも、もう少し無理なく人と話せるようになりたい方に届けます。

今日持ち帰れること

まず、オウム返しは、相手の言葉を何でも繰り返せばよいものではないことが分かります。

次に、「そのまま返す」と「言い換えて返す」の使い分けができるようになります。

そして最後に、話を聞くことを頑張りすぎず、日常の会話で使える小さな方法を持ち帰ることができます。

オウム返しとは?

オウム返しとは、一般的には相手が話した言葉をそのまま繰り返して返すことを指します。

たとえば、

「最近、仕事が本当に忙しくて」

と言われたときに、

「仕事が本当に忙しいんですね」

と返す。

これが、もっとも基本的なオウム返しです。

傾聴の場面では、話の中から大切な言葉や感情を拾って返すことで、話し手が「ここまで伝わっている」と確認しながら話を続けやすくなります。

ただし、すべての言葉を繰り返す必要はありません。

むしろ、何でもそのまま繰り返していると、

「私の言ったことを真似しているだけ?」
「本当に聞いているのかな」

と感じさせてしまうこともあります。

オウム返しは、繰り返すこと自体が目的ではなく、相手の話を受け取るために使うものです。

ここを押さえておくと、ずっと自然に使いやすくなります。

「そのまま繰り返す」と「言い換える」は少し違う

厳密に言えば、オウム返しは相手の言葉をそのまま返す方法です。

一方、話の意味を受け取り、自分の言葉で少し整理して返すことは「言い換え」や「パラフレーズ」と呼ばれることがあります。

たとえば、

「最近、仕事も家のこともいろいろあって、何をしていても追われている感じがするの」

と言われたとします。

そのまま返すなら、

「追われている感じがするんですね」

となります。

少し言い換えるなら、

「ずっと気持ちが休まらない感じなんでしょうか」

という返し方もできます。

どちらが正解というわけではありません。

まだ相手の気持ちがよく分からないときには、その人自身が使った言葉をそのまま返す方が安全です。

話が長くなってきたときや、理解した内容を確認したいときには、少し整理して言い換える方法が役立ちます。

つまり、相手の言葉を尊重したいときは繰り返し、理解した内容を確認したいときは言い換える。

この違いを意識すると、会話がずっと自然になります。

会話のやり取りをイメージした2つのカップと柔らかな光のライン

オウム返しを自然に使う3つの方法

1.全部ではなく「大切そうな言葉」を返す

オウム返しが不自然になる大きな理由の一つは、相手が話すたびに文章全体を繰り返そうとすることです。

全部を返す必要はありません。

話の中で、その人が大切にしていそうな言葉を一つ拾ってみます。

たとえば、

「部署が変わってから仕事そのものより、人に気を遣うことに疲れてしまって」

と言われたなら、

「人に気を遣うことに疲れているんですね」

と返す。

あるいは、

「気を遣うことの方がしんどいんですね」

でもよいでしょう。

話し手自身が使った言葉には、その人なりの感覚が含まれています。

「疲れた」
「悔しかった」
「寂しい」
「なんとなく嫌だった」
「もう十分かなと思った」

こうした言葉を聞き手の判断で別の意味に変えず、まずそのまま受け取ってみる。

それだけでも、会話の質は変わります。

2.すぐ質問せず、一度言葉を受け取る

人の話を聞いていると、

「それで、どうしたの?」
「どうしてそう思ったの?」
「これからどうするの?」

と、次の質問をしたくなることがあります。

もちろん、質問が悪いわけではありません。

けれど、話した直後に次々と質問されると、相手によっては「答えなければならない」という感覚になることもあります。

そんなとき、一度だけ言葉を返してみます。

「最近、母とのやり取りがしんどくて」

「お母さんとのやり取りが、しんどくなっているんですね」

そして、少し待つ。

すると話し手の方から、

「そうなの。前なら気にならなかったんだけど……」

と、その先を話し始めることがあります。

聞き手が次の言葉を用意しすぎなくても、会話は進みます。

これは、話を聞く側にとっても大切なことです。

「何か役に立つことを言わなければ」
「よい質問をしなければ」

と頑張りすぎなくてもよくなるからです。

3.言い換えるときは「決めつけない」

言い換えには、少し注意も必要です。

こちらが意味をまとめすぎると、相手が話していないことまで決めつけてしまうからです。

たとえば、

「夫が最近、家のことを全然やってくれなくて」

という言葉に対して、

「大切にされていないと感じているんですね」

と返したとします。

実際には、本人はそこまで思っていないかもしれません。

「いや、大切にはされているんだけど、単純に私ばかりやるのが嫌なの」

ということもあります。

そのため、言い換えるときは、

「つまり○○ですよね」

と言い切るより、

「○○という感じでしょうか」
「私はこう受け取ったのですが、合っていますか」

と、確認できる余地を残しておく方が安心です。

聞くことは、相手の気持ちを当てることではありません。

分からないものを分からないまま確認しながら進めることも、丁寧なコミュニケーションです。

オウム返しがうまくいかないのは、性格の問題ではない

「私は会話が下手だから」
「気の利いたことが言えない」
「コミュニケーション能力が低いのかもしれない」

と考える必要はありません。

会話の中で何を返せばよいか分からなくなる背景には、さまざまなものがあります。

相手を不機嫌にさせたくない。

相談されたら解決してあげなければと思う。

沈黙が怖い。

自分が聞き役になれば関係がうまくいくと思っている。

家族や職場で、長い間「調整する側」を担ってきた。

こうしたものが重なっている場合、オウム返しという技法だけ覚えても、実際の関係の中では以前と同じ話し方に戻りやすくなります。

これは性格の問題というより、誰との会話で、何を背負い、どこで無理をしているのかを分けて整理できるテーマです。

エトワールのセッションでも、コミュニケーションについて扱うときは、最初から「もっと上手な話し方」を練習するわけではありません。

まず、

誰との会話で疲れるのか。

その場で何を気にしているのか。

言いたいことをどこで飲み込んでいるのか。

相手の気持ちをどこまで自分が背負っているのか。

といったことを一緒に整理します。

そのうえで、その人の生活や関係性に合わせて、使える言葉や距離の取り方を考えていきます。

「聞くこと」と「背負うこと」は違う

人の話を丁寧に聞ける人ほど、もう一つ気をつけたいことがあります。

それは、聞くことと、相手の問題まで背負うことは違うということです。

話を聞いたからといって、解決する責任まで引き受ける必要はありません。

「大変だったんですね」

と受け取ることと、

「では私が何とかしなければ」

と考えることの間には、大きな違いがあります。

特に仕事でも家庭でも人から頼られることが多かった方は、聞いているうちに、いつの間にか相談相手、調整役、解決役まで引き受けてしまうことがあります。

オウム返しは、その意味でも便利な方法です。

相手の言葉を一度そのまま返すことで、すぐに解決策へ進まず、

「これは、この人の話」

という位置にとどまりやすくなるからです。

無理に冷たい人になる必要はありません。

優しさをなくす必要もありません。

自分まで消耗しない形で人と関わる方法を見つけていけばよいのです。

知っているだけではなく、実際の言葉にしてみる

コミュニケーションの方法は、本を読んだり記事を読んだりすると、

「なるほど、分かった」

と思いやすいものです。

けれど、実際の生活では状況が変わります。

職場で突然相談されたとき。

パートナーが不機嫌そうに話しているとき。

親からいつもの話を聞かされたとき。

友人が悩みを打ち明けてきたとき。

その瞬間に、自分がどのような言葉を選ぶか。

どこまで聞くか。

どこからは背負わないか。

そこまで落とし込んで、初めて使えるものになります。

一人で考えていると、

「やっぱり私が聞いてあげた方がいいかな」
「ここで何か言わないと悪いかな」

と、これまでのパターンへ戻ってしまうこともあります。

だからこそ、気づいたことを生活や言葉、人との距離感にどう反映させるかまで考えることが大切です。

エトワールでは、何でもはっきり言える人になることや、人に左右されない強い人になることを目指しているわけではありません。

その方が大切にしたい関係を残しながら、自分も無理をしなくてよい関わり方を一緒に探していきます。

今日の小さな行動:一つだけ、相手の言葉を返してみる

今日、誰かと話す機会があったら、会話の中で一度だけ試してみてください。

何か気の利いたことを言おうとせず、

相手が使った大切そうな言葉を、一つだけ返してみる。

たとえば、

「今日は疲れた」

と言われたら、

「今日は疲れたんだね」

と返す。

「最近、この仕事を続けるか迷っているんだ」

と言われたら、

「続けるか迷っているんだね」

と返す。

そのあと、すぐ次の質問をしなくてもかまいません。

少し待ってみてください。

そこから相手が何を話すのかを聞いてみる。

オウム返しの練習は、それくらい小さなところから十分です。

うまく使えているサイン

オウム返しは、上手に言えたかどうかだけで判断する必要はありません。

次のような変化があれば、少しずつ使えるようになっているサインです。

・相手の話を最後まで待てることが増えた
・すぐにアドバイスをしなくなった
・沈黙を以前ほど怖いと思わなくなった
・相手が自分から続きを話すことが増えた
・「何か言わなければ」と焦ることが減った
・話を聞いたあと、自分までぐったりすることが減った
・相手の問題と自分の問題を分けやすくなった

コミュニケーションは、完璧な言葉を選ぶことではありません。

少しずつ、「この関係では、このくらいがちょうどいい」と分かっていくものです。

一人で整理するのが難しいときは

人との話し方には、これまでの関係や役割、自分が大切にしてきたことが表れます。

そのため、

「オウム返しを使えばいい」

と知識だけ増やしても、いつもの相手を前にすると同じ会話に戻ってしまうことがあります。

そんなときは、まず、

誰との関係を整えたいのか。

どんな場面で疲れているのか。

本当は何を伝えたいのか。

どこまでなら無理なく相手の話を聞けるのか。

という順番で整理してみてください。

話し方を変えることは、自分ではない誰かになることではありません。

今の自分に合った言葉と距離を見つけていくことです。

まずは今日、一つだけ相手の言葉を拾って返してみる。

そこから始めてみてください。

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