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対話する意味とは|一人で考えても答えが出ないときの3つの視点

2018.10.09

誰かと話していても、すぐに答えが出るとは限りません。

むしろ、

「結局、何も解決しなかった」
「話しても分かり合えなかった」
「こんなことを話して意味があるのかな」

と感じることもあるでしょう。

特に、仕事や家族のこと、人間関係、これからの生き方など、簡単には答えが出ないテーマほど、話したからといってすぐ状況が変わるわけではありません。

けれど、対話の意味は、必ずしもその場で問題を解決することだけではありません。

言葉にすることで、自分でも気づいていなかった思いが見えてくる。

相手との違いを知ることで、自分が大切にしているものが分かる。

一人では思いつかなかった問いを向けられることで、同じところを回っていた思考から少し外へ出られる。

対話には、そんな働きがあります。

40代、50代になると、仕事、家族、夫婦関係、親との関係、自分自身のこれからなど、簡単には割り切れないことも増えてきます。

だからこそ、すぐ正解を出すためではなく、自分の中にあるものを少しずつ整理するための対話が役に立つことがあります。

今回は、対話する意味と、対話を自分の生活や人間関係に生かすための3つの視点をお伝えします。

こんな人へ

考えても考えても、同じところをぐるぐるしてしまう方へ。

人に話しても解決しないなら、話す意味がないように感じる方へ。

本当は伝えたいことがあるのに、相手の反応が怖くて言えない方へ。

人と意見が違うと、関係が悪くなりそうで黙ってしまう方へ。

これからの仕事や生き方について、一人では整理しきれなくなっている方に届けます。

今日持ち帰れること

まず、対話は「答えを出すためだけのものではない」と分かります。

次に、一人で考え続けるほど、同じ思考のパターンに戻りやすい理由が見えてきます。

そして最後に、話して終わりにせず、対話から得た気づきを日常の言葉や距離感へ落とし込む方法が分かります。

対話は、問題解決のためだけにあるものではない

私たちは、誰かと話すとき、つい結果を求めます。

相談するなら、答えがほしい。

夫婦で話すなら、分かり合いたい。

仕事について話し合うなら、結論を出したい。

もちろん、それも対話の大切な役割です。

ただ、答えや結論ばかりを急ぐと、その途中にあるものを見落としてしまうことがあります。

たとえば、

「私は、本当はこんなことを嫌だと思っていたんだ」

「相手と意見が違うことより、嫌われることを怖がっていたんだ」

「仕事を辞めたいと思っていたけれど、嫌なのは仕事そのものではなかった」

「これからどうしたいか分からないのではなく、今までの役割を手放すのが怖かった」

そんな気づきは、一人で頭の中を整理しているだけでは、なかなか出てこないことがあります。

誰かに話し、言葉にし、問い返される中で初めて、自分の考えていることが自分にも見えてくる。

それも対話の大きな意味です。

一人で考え続けると、同じ問いに戻りやすい

悩んでいるときほど、

「もっとよく考えれば答えが出るはず」

と思うことがあります。

けれど、一人で考えていると、使う問いも、物事を見る角度も、自分がすでに持っているものになりやすいものです。

たとえば、

「私が我慢した方がいいのかな」

「もう少し頑張れば何とかなるかな」

「私が気にしすぎなのかな」

という問いを長く繰り返している人は、何時間考えても、同じ前提の中で答えを探し続けることがあります。

これは、考える力がないからではありません。

人には、それぞれ慣れた考え方や反応のパターンがあるからです。

責任感が強い人ほど、自分が引き受ける方向で考えやすい。

周囲に合わせてきた人は、自分の気持ちより相手の都合を先に考えやすい。

関係を壊したくない人は、伝えるより黙ることを選びやすい。

こうしたことは、単純な性格の問題ではなく、これまで身につけてきた考え方や人との関わり方として整理して扱えるテーマです。

エトワールのセッションでも、最初から「どうすればいいですか?」という答えを出すことを急ぎません。

まずは、

「今、何に困っているのか」

「本当は何を変えたいのか」

「何を怖がっているのか」

「どんな役割や考え方を背負っているのか」

を一緒に見ていきます。

そうすると、問題だと思っていたこととは別のところに、本当に整理したいテーマが見えてくることがあります。

対話しながら考えを整理する時間をイメージした、ノートと二つのお茶が置かれたテーブル

対話を生かす3つの視点

1.すぐに結論を出そうとしない

大切なテーマほど、すぐに答えが出ないことがあります。

これからの働き方。

夫婦のこれから。

親との距離。

子どもとの関係。

自分自身の生き方。

こうしたテーマに対して、

「結局どうしたいの?」

「続けるの?やめるの?」

「言うの?言わないの?」

と早く結論を出そうとすると、自分の本当の感覚を置き去りにしてしまうことがあります。

まずは、

「私は何に引っかかっているんだろう」

「何が嫌なのだろう」

「本当はどうなったら少し楽なのだろう」

というところから話してみる。

対話は、答えを出す前に、自分の中にあるものを確認する時間にもなります。

2.「分かり合うこと」をゴールにしすぎない

人と話すとき、

「ちゃんと分かってもらわなければ」

と思うほど、話すことが怖くなることがあります。

特に身近な人ほど、

「こんなことを言ったらどう思われるだろう」

「反対されたら嫌だな」

「理解してもらえなかったら傷つく」

と感じるものです。

けれど、対話をしたからといって、必ず意見が一致するわけではありません。

違う考えを持ったままでも、

「私はこう感じている」

「あなたはそう考えているんだね」

と、違いを知ることはできます。

それだけでも、関係のあり方は変わります。

対話とは、相手を説得することでも、自分の考えを分かってもらうことだけでもありません。

違いがあることを知りながら、それでも自分の言葉を持つこと。

そこに意味がある場合もあります。

もちろん、すべての相手と深く話す必要はありません。

相手や状況によっては、距離を取った方がよいこともあります。

大切なのは、「話せない私は弱い」と考えることではなく、自分が安心して話せる相手や場を選ぶことです。

3.気づきを、日常の言葉と距離感へ落とし込む

対話の中で、

「私はずっと我慢していたんだ」

「本当は、もう少し自分の時間がほしい」

「これ以上、この役割を背負いたくない」

と気づいたとしても、それだけで日常が変わるとは限りません。

翌日になれば、いつものように頼まれごとを引き受けてしまう。

家族の機嫌を見て、また自分が合わせてしまう。

仕事でも、「大丈夫です」と反射的に答えてしまう。

そんなこともあります。

だから、気づいたあとは、

「次に同じ場面が来たら、どんな言葉を使うか」

「どこまでならできるのか」

「何を一度持ち帰って考えるのか」

「誰とは少し距離を変えるのか」

と、具体的な生活へ落とし込むことが大切です。

たとえば、頼まれごとをされたとき、

「分かりました」とすぐ答える代わりに、

「予定を確認してから返事します」

と言ってみる。

相手の話を全部受け止める代わりに、

「今日はここまでなら聞けるよ」

と伝える。

家族の予定をすべて自分が調整する代わりに、

「これはお願いしてもいい?」

と言葉にしてみる。

大きく変わる必要はありません。

知識として「対話が大切」と知るだけではなく、自分の生活、言葉、人との距離感の中で使える形にしていくことが大切です。

エトワールでも、無理に強くなったり、何でもはっきり言える人になったりすることを目指しているわけではありません。

その方の性格、生活、仕事上の立場、人間関係を見ながら、「この人にはどんな伝え方や距離感なら続けられるか」を一緒に探していきます。

対話には、少し摩擦が生まれることもある

人と話せば、思ったように伝わらないことがあります。

相手が違う考えを持っていることもあります。

「そんなつもりじゃなかった」と言われたり、自分も思わぬところで傷ついたりすることがあるかもしれません。

だから、

「面倒なことになるくらいなら、何も言わない方がいい」

と思うのも自然なことです。

実際、何でも話せばよいわけではありません。

話す相手も、タイミングも、内容も選んでよいのです。

ただ、いつも摩擦を避けるために自分の考えを閉じ込めていると、自分自身が何を感じているのかまで分からなくなることがあります。

対話には、少し違和感が生まれることがあります。

けれど、その違和感から、

「私はここを大切にしたいんだ」

「ここまでは譲れるけれど、ここは違う」

という自分の輪郭が見えてくることもあります。

一人で考えていると、元のパターンへ戻ることがある

何かに気づいて、

「これからはもう少し自分の気持ちも伝えよう」

と思ったとしても、一人で続けるのは意外と難しいものです。

相手が少し不機嫌になれば、

「やっぱり私が我慢した方がよかったかな」

と思う。

仕事が忙しくなれば、

「今は仕方ない」

と元のやり方へ戻る。

家族に頼られれば、

「私がやった方が早い」

と、また引き受けてしまう。

長く続いてきたパターンほど、頭で理解しただけでは変わりにくいものです。

だからこそ、定期的に話しながら、

「今回はどうだった?」

「何が難しかった?」

「では、次はどこを少し変える?」

と見直す場を持つことも、一つの方法です。

変わることは、今までの自分を否定することではありません。

これまで自分を守ったり、関係を保ったりするために使ってきた方法を、今の自分に合う形へ整え直していくことです。

今日の小さな行動:「答えを出さずに、今思っていることを書く」

何か気になっているテーマがある方は、今日は結論を出そうとせずに、5分だけ書いてみてください。

テーマは一つで十分です。

そして、

「私は今、何が気になっている?」

「何に少し疲れている?」

「本当は、どうなったら楽?」

と、自分に問いかけてみます。

正しい答えを書く必要はありません。

まとまっていなくても大丈夫です。

「よく分からない」

「何となく嫌」

「本当はもうやりたくないのかもしれない」

そんな言葉も、対話の入口です。

一度言葉にすると、その先にある気持ちが見えてくることがあります。

対話ができ始めているサイン

対話がうまくいっているかどうかは、相手と完全に分かり合えたかだけでは判断できません。

たとえば、

・話しながら、自分の気持ちに気づくことが増えた
・すぐ結論を出さなくてもよいと思えるようになった
・相手と意見が違っても、自分の考えを持てるようになった
・「どう思われるか」だけでなく、「私はどう感じるか」を考えられるようになった
・その場で返事をせず、一度考えることが増えた
・話す相手と、距離を取る相手を選べるようになった
・同じ出来事でも、以前とは違う見方ができるようになった

こうした小さな変化も、対話によって自分の中が整理され始めているサインです。

一人で整理するのが難しいときは

仕事、人間関係、夫婦関係、生き方の迷いは、一つだけ切り離して考えられないこともあります。

仕事の悩みだと思っていたら、実は疲れが大きかった。

夫婦の問題だと思っていたら、自分が長く我慢してきたことが関係していた。

これからの生き方が分からないと思っていたら、周囲の期待を優先しすぎて、自分が望んでいることが見えなくなっていた。

そんなこともあります。

エトワールのセッションでは、すぐに正解を決めるのではなく、

今、何が起きているのか。

自分は何を感じているのか。

何を大切にしたいのか。

どこに無理が出ているのか。

実際の生活では、どんな言葉や距離感なら使えそうか。

という順番で整理していきます。

対話は、誰かに答えをもらうためだけの時間ではありません。

話しながら、自分自身の声を聞き直す時間でもあります。

一人で考えることに少し疲れたときには、安心して話しながら整理できる場を持つことも選択肢の一つです。

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