完璧を手放すと年末がラクになる

▼このコラムを読んでほしい方
特に、仕事も家も両方を抱えて「いつもがんばりすぎているかも…」と感じている、40代前後の女性に向けて書いています。
▼このコラムでお伝えしたいこと
- 年末の「ちゃんとしなきゃ」が強くなると、心も体も疲れやすくなる
- 「どこまでできたら合格か」を自分で決め直すと、年末がぐっとラクになる
- 「今年やる/来年に回す」の整理や、「これだけできたらOK」を決めるコツ
年末が近づいてくると、
「今年のうちに全部片づけなきゃ」
「仕事も家も、きちんと締めくくりたい」
そんな気持ちが強くなりやすい時期です。
コーチとしてお話を聞いていても、そして自分自身を振り返っても、この「ちゃんとしなきゃ」がピークを迎えるのが、まさに今のタイミングだと感じます。

私もずっと「年末くらいは完璧に」と思っていた
かつての私は、年末になると
- 仕事の資料や計画書
- ホームページやSNSなどの発信の見直し
- 家の片づけや年始の準備
を「全部、今年のうちにちゃんとやっておきたい」と思っていました。
新しい仕事の準備や、これからの数年を見据えた計画を立てながら、「ここも直したい」「あれも整えたい」と、ToDoリストがどんどん増えていく…。
実際には、体調がいまひとつのときもあったり、人との予定や家の用事も入ってきたりして、思い描いた“完璧な年末”には、なかなか届きません。
すると今度は、
「また全部できなかった」
「もっとちゃんとやれている人もいるのに」
と、自分を責める声が出てきてしまう。
コーチングや感情の学びをしていても、そういう気持ちになることはあります。
「完璧を手放す」は、投げ出すことじゃない
あるとき、
「本当に、全部を完璧にやる必要があるのかな?」
と、自分に問いかけてみました。
年末年始に体調を崩して寝込んでしまった経験もあって、
「きれいに終わらせること」より
「元気で新年を迎えること」の方が、
私にとってはずっと大事だと感じたからです。
そこで試してみたのが、
「どこまでできたら、自分としては合格か?」
を、自分で決め直してみること。
誰かが決めた「こうあるべきな年末」ではなく、今の自分の体力や気力、仕事の状況に合った“現実的な合格ライン”を静かに引き直してみました。

年末をラクにするために、実際にやってみたこと
ここからは、私自身が試して「これはラクになった」と感じたものです。
よかったら、できそうなところから真似してみてください。
① 「今年やる・来年でいい」を分ける
まず、頭の中に散らばっていることを全部書き出してみて、
- 今年中に、どうしてもやっておきたいこと
- 年明けに回しても大丈夫なこと
と2つに分けました。
たとえば、
「今進んでいる仕事の土台づくり」や
「安心して年を越すために、ひとまずここだけ整えておきたいこと」は“今年”。
一方で、
細かい見た目の調整や、時間をかけて考えたい新企画は“年明け”。
こうして線を引くだけで、心のざわざわがかなり減りました。
② 「これだけできたらOK」を3つだけ決める
さらに、
- 仕事
- 家・暮らし
- 自分の心とからだ
この3つの分野で、
「今年は、ここまでできていたら自分をねぎらおう」
というポイントを、それぞれ1つずつ決めました。
たとえば、
- 仕事:今あるご縁の方に、きちんと向き合う
- 家:生活動線がラクになる範囲で片づいていればOK
- 自分:年末にも、ひとりでほっとする時間をちゃんとつくる
「全部」ではなく「これだけ」が見えてくると、できていないところよりも「できたところ」に目を向けやすくなります。
③ 「私が全部やる」をやめてみる
もう一つ、意識しているのは、
「自分でやる」以外の選択肢をちゃんと使うこと。
- 今年はやらない(手放す/簡略化する)
- サービスや道具に頼る
- 家族やパートナーに、できる範囲で助けてもらう
以前の私は、「お願いするくらいなら自分でやった方が早い」と思いがちでした。
でも、その“早さ”の裏で、自分のエネルギーがじわじわ削られていたことにも気づきました。
「ここはお願いしてもいいかも」と思えるところを一つ増やすだけでも、年末の空気がふっと柔らかくなります。
まずは今日、5分だけ時間をとって、頭の中の「やることリスト」を「今年やること」と「年明けに回していいこと」に分けてみてください。それだけでも、年末の息苦しさが少しゆるむはずです。
自分にかける言葉を、少しだけ変えてみる
完璧を手放すときに、私が意識している言葉があります。
- 「全部ちゃんとやらなきゃ」
→「大事なところを押さえられたら十分」 - 「まだこれもできていない」
→「ここまで進めてきた自分も、ちゃんと見てあげよう」
同じ状況でも、自分にかける言葉が変わるとその日一日の感じ方が変わります。
おわりに 〜 “完璧な年末”より“自分にやさしい年末”へ
年末になると、これまでの自分を「採点」したくなる瞬間があるかもしれません。
でも本当は、点数をつけるための季節ではなく、
「よくここまでやってきたね」と、
自分に声をかけ直すタイミング
なのかもしれません。
完璧な年末よりも、少し息ができる年末。
全部やり切る年末よりも、「ここまでできた自分」を認めてあげられる年末。
今年は、そんなふうに“完璧を少しだけ手放す”選択をしてみてもいいのかな、と思っています。
「完璧を手放したいけれど、一人だとどこまでゆるめていいのか分からない…」と感じる方には、コーチング・エトワールのセッションの中で、一緒に「自分らしい合格ライン」を見つけていくお手伝いもしています。
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