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完璧を手放すと年末がラクになる

2025.12.12

完璧主義を手放して年末をゆったり過ごしたい女性が、手帳とコーヒーを前にほっと一息ついている様子

▼このコラムを読んでほしい方

特に、仕事も家も両方を抱えて「いつもがんばりすぎているかも…」と感じている、40代前後の女性に向けて書いています。

▼このコラムでお伝えしたいこと

  • 年末の「ちゃんとしなきゃ」が強くなると、心も体も疲れやすくなる
  • 「どこまでできたら合格か」を自分で決め直すと、年末がぐっとラクになる
  • 「今年やる/来年に回す」の整理や、「これだけできたらOK」を決めるコツ

 


年末が近づいてくると、
「今年のうちに全部片づけなきゃ」
「仕事も家も、きちんと締めくくりたい」

そんな気持ちが強くなりやすい時期です。
コーチとしてお話を聞いていても、そして自分自身を振り返っても、この「ちゃんとしなきゃ」がピークを迎えるのが、まさに今のタイミングだと感じます。


私もずっと「年末くらいは完璧に」と思っていた

かつての私は、年末になると

  • 仕事の資料や計画書
  • ホームページやSNSなどの発信の見直し
  • 家の片づけや年始の準備

を「全部、今年のうちにちゃんとやっておきたい」と思っていました。

新しい仕事の準備や、これからの数年を見据えた計画を立てながら、「ここも直したい」「あれも整えたい」と、ToDoリストがどんどん増えていく…。

実際には、体調がいまひとつのときもあったり、人との予定や家の用事も入ってきたりして、思い描いた“完璧な年末”には、なかなか届きません。

すると今度は、

「また全部できなかった」
「もっとちゃんとやれている人もいるのに」

と、自分を責める声が出てきてしまう。
コーチングや感情の学びをしていても、そういう気持ちになることはあります。


「完璧を手放す」は、投げ出すことじゃない

あるとき、

「本当に、全部を完璧にやる必要があるのかな?」

と、自分に問いかけてみました。

年末年始に体調を崩して寝込んでしまった経験もあって、
「きれいに終わらせること」より
「元気で新年を迎えること」の方が、
私にとってはずっと大事だと感じたからです。

そこで試してみたのが、

「どこまでできたら、自分としては合格か?」
を、自分で決め直してみること。

誰かが決めた「こうあるべきな年末」ではなく、今の自分の体力や気力、仕事の状況に合った“現実的な合格ライン”を静かに引き直してみました。


年末をラクにするために、実際にやってみたこと

ここからは、私自身が試して「これはラクになった」と感じたものです。
よかったら、できそうなところから真似してみてください。

① 「今年やる・来年でいい」を分ける

まず、頭の中に散らばっていることを全部書き出してみて、

  • 今年中に、どうしてもやっておきたいこと
  • 年明けに回しても大丈夫なこと

と2つに分けました。

たとえば、
「今進んでいる仕事の土台づくり」や
「安心して年を越すために、ひとまずここだけ整えておきたいこと」は“今年”。

一方で、
細かい見た目の調整や、時間をかけて考えたい新企画は“年明け”。

こうして線を引くだけで、心のざわざわがかなり減りました。

② 「これだけできたらOK」を3つだけ決める

さらに、

  • 仕事
  • 家・暮らし
  • 自分の心とからだ

この3つの分野で、

「今年は、ここまでできていたら自分をねぎらおう」

というポイントを、それぞれ1つずつ決めました。

たとえば、

  • 仕事:今あるご縁の方に、きちんと向き合う
  • 家:生活動線がラクになる範囲で片づいていればOK
  • 自分:年末にも、ひとりでほっとする時間をちゃんとつくる

「全部」ではなく「これだけ」が見えてくると、できていないところよりも「できたところ」に目を向けやすくなります。

③ 「私が全部やる」をやめてみる

もう一つ、意識しているのは、

「自分でやる」以外の選択肢をちゃんと使うこと。

  • 今年はやらない(手放す/簡略化する)
  • サービスや道具に頼る
  • 家族やパートナーに、できる範囲で助けてもらう

以前の私は、「お願いするくらいなら自分でやった方が早い」と思いがちでした。
でも、その“早さ”の裏で、自分のエネルギーがじわじわ削られていたことにも気づきました。

「ここはお願いしてもいいかも」と思えるところを一つ増やすだけでも、年末の空気がふっと柔らかくなります。

まずは今日、5分だけ時間をとって、頭の中の「やることリスト」を「今年やること」と「年明けに回していいこと」に分けてみてください。それだけでも、年末の息苦しさが少しゆるむはずです。


自分にかける言葉を、少しだけ変えてみる

完璧を手放すときに、私が意識している言葉があります。

  • 「全部ちゃんとやらなきゃ」
     →「大事なところを押さえられたら十分」
  • 「まだこれもできていない」
     →「ここまで進めてきた自分も、ちゃんと見てあげよう」

同じ状況でも、自分にかける言葉が変わるとその日一日の感じ方が変わります。


おわりに 〜 “完璧な年末”より“自分にやさしい年末”へ

年末になると、これまでの自分を「採点」したくなる瞬間があるかもしれません。
でも本当は、点数をつけるための季節ではなく、

「よくここまでやってきたね」と、
自分に声をかけ直すタイミング

なのかもしれません。

完璧な年末よりも、少し息ができる年末。

全部やり切る年末よりも、「ここまでできた自分」を認めてあげられる年末。

今年は、そんなふうに“完璧を少しだけ手放す”選択をしてみてもいいのかな、と思っています。


「完璧を手放したいけれど、一人だとどこまでゆるめていいのか分からない…」と感じる方には、コーチング・エトワールのセッションの中で、一緒に「自分らしい合格ライン」を見つけていくお手伝いもしています。

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